相続・事業承継対策

相続・事業承継対策

信託を活用した相続対策

(2)信託を設定するには?

信託とは

信託とは、財産を持っている人(委託者)が、一定の方法で特定の者(受託者)にその財産の名義や管理・処分権を移転させ、その信託財産を管理・運用・処分してもらうことによって得られる利益を、他の特定の者(受益者)に与える仕組みをいい、委託者は受益者を自由に決めることができるものである。

信託を設定する方法

信託を設定する方法は、従来は信託契約による方法と、遺言による方法に限られていたが、信託法が改正されて自己信託による方法もできることとなっている。

信託の方法 内容
信託契約による方法 特定の者との間で、その特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びにその特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(信託契約)を締結する方法
遺言による方法
(遺言信託)
特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びにその特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
自己信託による方法 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録でその内容等を記載又は記録したものによってする方法